人生は困難の連続だ。
僕たちはそんな世界に産み落とされる。最初にできるのは呼吸だけだ。恨めしい。
しかし毎日同じことを繰り返しながら少しずつできることを増やしていく。
成長は右肩上がりではなく、ある日急に新しい景色に遭遇する。
歩き、走り、学び、誰かを慕い、自分より大事なものに出会う。
そしてやがてできることは少しずつ減っていく。
僕たちは再び呼吸しかできなくなったときに、何を思うだろうか。
ーーーーーーーーー
【生きるを知る】
真っ暗で何もみえない
うっすら光 何かの音
できるのは呼吸ばかりで
生まれた不思議恨む日々
明くる日もできないことだらけ
喉震わせて涙流す
ある朝に聞いた暖かい音
僕は知ったそれが「言葉」と
おはよう世界 今日はどんな苦しみを
乗り越えたら「人」になれるのかな？
めぐる季節 僕は歩き出す
動かす術を学んだから
遊び疲れ眠りにつく
「生きる」を知った おやすみ世界
キャンパスで夢に向き合い
ひたすら一人戦ってた
ある昼に知った君の絵に
高鳴る鼓動を聞いたんだ
誰か焦がれることなんて
ありはしないと思ってた
おはよう世界 今日はどんな歓びを
噛み締めたら「人」になれるのかな？
君と出会い 掴んだ幸せが
命となって花咲いた
暖かなぬくもりに
「生きる」を知った おやすみ世界
思い返すことなく
命燃やして時を駆ける
あれから何年経ったろう
君に会いに行くのは夏で
皺のある手を合わせては
祈りをささげ思い耽る
おはよう世界 君に聞きたい
僕はそう「人」になれたのかな？
めぐる季節 もう走れない
光もぼやけて霞んでいく
君と出会い 掴んだ幸せも
いつか忘れてしまうのだろう
やがて朽ちるこの枯れ木に
生きるを知った おやすみ世界
幸せ知れたよ ありがとう世界
真っ暗で何もみえない
うっすら光 何かの音
できるのは呼吸ばかりで
生まれた不思議愛す日々
